2010年代
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★ふらっぷさん 2013.03.10


母が、「お母さんフルートやりたい」と言いだした。
10年前くらいのこと。

母はもともと絵が描くのが好きで趣味は版画をやったりしていた。

そんな母だから、もちろん楽器の話をしたのはその時が初めて。私は気まぐれで言っているとしか思わなかったので「ふーん」と返事をしただけだった。
どうやら、美しい立ち姿の奏者と音色にずっと憧れていたらしい。

そして2年前。
母が「お母さんフルート習うことにした」と言った。
電車で通うから、駅の近くの教室にした、と言っていた。
本気だったんだ、と思った私は、「いいじゃんいいじゃん」と返事した。


しかしその1ヶ月後、母が病気で入院することになり、手続きをしたばかりのフルート教室に1回も通わず、退会手続きをすることになった。


母は、その時なにもかもに、がっかりしてしまった。


そこからさらに1年経った。

少し回復したころ、私から「お母さん、フルートはもうやらないの?」と言った。
すこし考えて、「やろうか」と母は言った。


せっかくやるならちゃんとした、いいものを買おう、と二人で話をして、あぽろんさんに「何店に行ったらいいですか」と問い合わせた。

そうしたら「イオン新潟西の小池が一番詳しいです」と教えてくれた。



休日、母と姉と私の3人で、小池さんを頼ってイオン新潟西店に行った。

小池さんがとても詳しく価格の違いについて教えてくれた。
そして母に、試奏までさせてくれた。

私と姉も、その間ひさしぶりに楽器に囲まれて嬉しくなったので、打楽器を“それっぽく”たたいて、横ですっかり楽しんでいた。



母は、憧れていたキラキラのフルートを手に入れた。
ちょっと予算オーバーだったけど、考えていたモデルより、少しいいものにした。


今、母はまた、同じ駅の近くの教室に月2回通っている。

1回30分なのでぜんぜんまだ曲は吹けないようだ。でも、そのピカピカのフルートを持って教室の話をする母はとても嬉しそうだ。


「1曲覚えたら家族発表会をする」と小池さんに約束したので、母はそれに向けて少しずつ、練習をしている。

いつになるかさっぱり分からないけど、私もそれを、のんびり待っている。