about Sankey guitars

Who are Sankey Guitars?   

 
世界最大の楽器SHOWで世界に衝撃を与えた上記作品 “When I fell, I sang”
楽器そのものを〝ART(アート)〟の域にまで押し上げたビルダー:Michael Sankey(マイケル・サンキー)
感性だけでは到底作ることのできない確かな技術と経験に基づいた、ストイックなまでの作品へのアプローチはまさに芸術家そのもの。
彼が、どうやって現代の最高級ギター製作家の代表格と謂われるまでになったのか?
 
 幼い頃から船や飛行機などの模型など、〝作ること〟が好きだった彼は、10代の始めには自分で弾いていたチェロやファゴット、そしてギターなどの楽器を調整するために改造を常に施すような少年でした。
彼の父親はバロック音楽に興味があり、大学でいくつかのルシアーコースを学び、英国スタイルのヴィオラ・ダ・ガンバなどを制作していたこともあり、彼に大きなインスピレーションと楽器製作への興味を抱かせました。

19歳になると、自身も大学でビジュアルアートを学び、ギター製作を始めるようになります。
初めて作ったギターは、エレキとピエゾの両方のピックアップを備えた薄型のアコースティックアーチトップギターで、父親の作ったヴィオラを参考にしたハイアーチ&フラットバックの非常に〝野心的〟なギターでした。
それは文字通り〝ゴミ〟でできており、ドアから剥ぎ取った薄い白の合板、フローリング工事の際に残った木材の一部、トップ材にはデッキ用の杉(2×6)で作られた3ピース構造でした。ピックアップやノブ、ペグなど全てのパーツは、地元のギターショップの〝その他バケツ〟に入ったアウトレットや余りものを使用しました。学生だった彼が費用面で高価なギター材を使う事が出来ず(当時eBayなどもなくアジア製の安価なパーツも流通していませんでした。)工夫してなんとか作り上げたこのギターですが、大学内のプロジェクトとして発表するほど非常に良い出来でした。このギターを彼は今も所有しており、今も弾くこともできます。2本目のギターは別のアーチトップでしたが、本物のマホガニーで作られました。
工業デザインの学生だった友人が設計し、材料を用意してくれました。このギターは荒削りなシェイプでしたが今も所有しています。

3番目と4番目のギターは彼自身がデザインしたアーチトップでした。製作を重ねるごとにギター製作の精度は上がったため、このギターを地元のギターショップに委託販売することにしました。有名なフォークギターアーティストに購入してもらえそうになったこともありましたが、当時売られていたルシアーメイドのアーチトップギターより割安にしたにも関わらず、この2本は数年間売れることがありませんでした。
その後、子供が産まれるなどしたこともあり、製作や販売できるような余裕ができるまで少し時間を要しましたが、 最終的にこの2本のギターはトロントの楽器店に持ち込み委託販売することになりました。しかし、トロントでもこのギターが売れる事はなく、 今もこの2本のギターは彼が所有しています。
別の地元の音楽店でギター修理技術者として仕事に就いたとき、ようやく物事が一緒になりました。仕事の契約の一部は作ったギターを非常に低いレートで委託販売することでした。
ですが、 自分でギターを構築するスペースがあり、控えめですがツールを購入する予算もありました。価格は今までの半分とチープにせざるを得ないものでしたが、ギター製作を始めてからほぼ10年かかり、ようやく自身で作ったギターを販売することができたのです。
それからの彼の活躍は想像できる通り。
2010年には自身のワークショップを立ち上げると共に、より革新的なギターを産み出し続け、数多くのギターショーにも参加。 多くのビルダーを目指す人たちにも影響を与えています。

評価されない時代を乗り越え、彼がギター製作に対しての興味を失う事なく続けられたことを自身でこう語ります。 
 
「他のすべてが退屈だから私は自分のしたいことをする。自分を信じて自分を試してみました。 ギターのデザインを考え、それを現実のものにすることは、私にとって精神的なホームベースのようなものです。いつもそこに戻ります。 そして、ある分野である程度の専門知識が得られたら、それを続けないのは知識の無駄になると考えています。」 
 
「なぜ、革新的なギターを作るのか?他の多くのビルダーの完璧な仕上がりは賞賛せざるを得ない素晴らしいものです。しかし、彼らもその製作の大部分が同じことの繰り返しにより同じものが作られていることを知っています。(もちろん繰り返しの完成度を上げていくということも考え方にはあると思いますが、) 私にとって何かを繰り返すことは、何か違うことをする機会への無駄なのです。私が作るほとんどすべてのギターは革新的で優れた新しいデザインです。新しいものを考え出そうとするのは精神的に疲弊していく可能性もあります。ですが、私は常にそれを実行する時間よりも多くのアイデアを持っています。ギターとギターパーツの20〜30のユニークなデザインが常にワークショップの机の上にストックしてあります。」 
 
「私は弦楽器製作者として成功していません。家族、素敵な小さな家、必要とするときに常に起動する車、さらには猫を持っています。しかし、これは弦楽器製作者としてよりも、父、夫、主夫としての私の能力に関係しています。だから、弦楽器製作者として成功するために続けるだけです。将来的には純粋に私が望むあらゆるアイデアを追求した実験的なギターを売ることができる立場になりたいと思っています。でも、そうではないかもしれない。それは心を研ぎ澄ますという制約になるから。だから(制約せずに)私は何でもします。」 
 
Sankey Guitars にはモデル名はありません。同じモデルはなく全てが違う作品であり個別の〝名前〟で呼ばれます。
カナダからあなたへ。