あぽろんのブログ

OniricaGuitarsビルダー、FranchinGuitarsでもネック周りの監修をしているEmanueleFaggionが手掛けたアコースティックギター。

今回も「ちょっと面白い」ギターをご紹介します!
今回はアコギです。

特にブランドネームはなくOniricaGuitarsを手掛けるEmanuele Faggion氏が手掛けるアコースティックギター。
ボディ内部には「Emanuele Faggion」のネームがあります。クラシックギターの名匠のようなイメージです。
OniricaGuitarsについて詳しくはこちらをご覧ください。
また現在はOniricaGuitarsについては全ての業務を売却している為ブランド自体を終了しています。
https://apollonmusic.com/oniricaguitars/about.html

元々OniricaGuitarsでもアコギは製作されていましたがどちかというとエレキギターを製作することが多かったです。
エレキもクオリティは高くまた芸術性の素晴らしいギターばかりです。
また昨年より本格的に取り扱い初めたFranchinGuitarsのネック周りを監修しているのもEmanuele氏になります。
FranchinGuitarsについてはこちらをどうぞ!
https://apollonmusic.com/franchin/

そんなEmanuel氏が製作したアコースティックギターがこちら!

シェイプはL-OO。モデル名は”ELEUTHERA” (エレウテラ)。エレウテラを調べてみるとバハマ諸島にある1つの島と、それに付随する小さな島々。
モデル名の由来をEmanuele氏に聞いてみると『ELEUTHERAという名前は、古代ギリシャ語で「自由」または「自由人」という意味です。』また、『ヨーロッパ人として、ギリシャの哲学と文化の中で生きてきたことが、私の仕事に対する見方を形成しました。ギリシャの哲学では自己表現の探求が重要な位置を占めていたので、私の楽器がそれを使うミュージシャンの助けになればと思い、この道を歩んでいます。』
と少し派生してEmanuele氏のギター製作、哲学についても語ってくれました。

それではまずマテリアル、次にルックスを見ていきます。
Scale length:24,75″
Soundboard:Englman Spruce
Back&Side:Indian Rosewood
Fretboard:Indian Rosewood
Neck:Spanish ceder
Bridge:Indian Rosewood
Binding:Striped Ebony
Finish:Nitro Nitrocellulose
Bracing:X-Bracing top,Triple-X back
Frets:Medium
Radius:16”
Nut:Tusq
Tuners:Rubner Deluxe,germany
小振りなシェイプでまさしくL-OOシェイプ。トップカラーはブラック。シンプルでクール。

ボディのアクセントとなってるバインディングは白-黒-木材-シェルが層になっていてとても美しいです。

サウンドホールのロゼッタも同様にアバロンがアクセントで細かい装飾が施されていて高級感あります。


ボディサイド、バックはグロス塗装のみ。杢目が非常にきれい。良質なローズウッドを当然ながら使用しているのが分かります。


ボディ下部にもアバロンで製作されたインレイが施されていてルックスの特徴的なデザインに一役買ってくれています。


ネックも非常にきれいなローズウッドが使用されてます。真っ黒なローズウッドって見るからに良い音しそう。皆さん真っ黒なローズウッド好きですよね。ネックのエッジ処理もしっかりされているのでバリなどは当然ないです。

ネック材はスパニッシュ・セダーを使用。アコギだとあまり使用されませんがエマニュエル氏いわく・・
「ヨーロッパでは古典的な木材で歴史上でも良く使用されてきました。マホガニーより密度が低く軽量です。少しまろやかなサウンドが特徴です。小振りなボディシェイプとボディ材のバランスを考えこの木材を選択しました」とのことです。
ヘッド裏のみブラックで着色されていてこちらもデザインのアクセントになってます。


ギターのシンボルにもなるヘッドシェイプはシンプルですがこちらもアバロンを使用されたヘッドインレイが特徴となっており気品溢れます。


ギターペグはハンドメイド系クラシックギターで使用されることの多い”Rubner”製を採用。オープンバック構造はサウンドにも重要な役目がありますよね。


ボディ内部はXブレーシング構造。強度を高める狙いがありますね。

トップは当然ながらバックはトリプルXブレーシング構造。内部を見てみるとたしかにXブレーシングが三つ。
なかなか見ない構造。


Xブレーシングは1850年代頃から続いており超定番ブレーシングとなってますね。

その他サイドに割れ防止用パッチが施されていたりと強度に関しては信頼置ける構造となってます。

では弾いてみてインプレッションを!
第一印象は野太く、骨太感のある音です。多数のブレーシングのおかげか各弦のはっきりした発音に太さを感じます。ピック弾きの場合は自然とブルースっぽい弾き方をしてしまいます。このルックスでこのサウンドは裏切られました。男らしいサウンド。
指弾きでアルペジオのフレーズだとこれまた1本1本存在感あるサウンド。小振りボディなのでレスポンスも早く感じます。自宅でポロポロ弾きながら、お酒が似合う、ちょっと部屋は暗くして。そんな雰囲気で弾きたくなります。
指弾きのサウンドは格別ですね。明るい曲より涙腺緩むようなそんな楽曲に合う印象。
小振りなので抱えやすくストレスないです。

付属品はスペックシートブック、オリジナルワインダーが付属。


このオリジナルワインダーもお手製。滑らかに可動してくれます。弦交換も楽しくなりますね。

是非お店にお立ち寄りの際は試奏してください。思わず持って帰りたくなるかもしれません。
Emanuele氏のギター造りの情熱や丁寧さを感じていただけると思います。


“ELEUTHERA”はEmanuele氏があぽろんの為に製作してくれた一本。量産的モデルとは当然ながら別物ですよね。
デジマートでも販売中↓
https://www.digimart.net/cat02/shop149/DS07676319/

余談としてELEUTHERA製作時、腕を負傷していたらしくその中で製作したとのこと。
なのに普段と変わらないクオリティ。とんでもないルシアーです。

今回もご精読ありがとうございました。

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